原作: David O'Brien <obrien@FreeBSD.ORG> 投稿者: Rodney Grimes <rgrimes@FreeBSD.ORG>. 25 April 1995.
更新: Jordan K. Hubbard <jkh@FreeBSD.ORG>.最終更新 26 August 1996.
訳: 内川 喜章 <yoshiaki@kt.rim.or.jp>. 12 October 1996.
Intelの PCIチップセットについて, 以下にさまざまな種類 の既知の不具合と問題の程度のリストを示します.
ISAバスマスタがISAとPCIブリッジの向 こう側にある場合は,キャッシュコヒーレンシ(一貫性)の 問題があります. このハードウェア欠陥に対処してうま く動かす方法はキャッシュを offにする以外にはありません.
ライトバックキャッシュのコヒーレンシに 問題があります. このハードウェア欠陥に対処してうまく動かす方法は 外部キャッ シュをライトスルーにすること以外にはありませ ん. Saturn-IIにアップデートしましょう.
問題なく動きます. ただし多くのマザーボードではライトバッ ク動作に必要な 外部ダーティビット SRAMが実装されていま せん. 対策としてはライトスルーモードで動かすか, ダーティ ビット SRAMをインストールするかがあります. (これは ASUS PCI/I-486SP3G の rev 1.6 以降で使われています)
2つより多くの(3台以上の)バスマスタデ バイスを動かすことができません. Intelは設計の欠陥を 認めています. 2つを越えるバスマスタを許さない, 特別な 設計のハードウェアで PCIバスアービタを置き換えることに より解決されています. (Intelの Altair boardや他にはい くつかの Intelサーバグループマザーボードに見られます). そして, もちろん Intelの公式の回答は Triton チップセットへの 移行で, ``こちらでは修整した''ということです.
知られているキャッシュコヒーレンシ やバスマスタの問題はありませんがパリティチェック機能が ありません. パリティを使いたいような場合は, 可能であ れば Triton-II ベースのマザーボードを選びましょう.
このチップセット を使っているマザーボードに関するすべての 報告によれば今の ところ好評です. 既知の問題はありません.
このチップセットの初期のバージョンでは PCI write-posting にバグがあり, 大量の PCIバストラフィッ クのあるアプリケーションでは性能の著しい低下があるとい う障害がありました. B0以降のリビジョンのチップセットで は問題は解決されています.
これは Pentium Pro に対応したチップセットで, 初期の Orion チップセットにあったような問題は見られず, 問題なく動 いているようです. また, これは ECCやパリティを含んだ広い 種類のメモリに対応しています. 既知の問題は Matrox Meteor ビデオキャプチャカードに関するものだけです.
原作 浅見 賢 <asami@FreeBSD.ORG>. 27 December 1997.
Pentim Pro, Pentim IIとも FreeBSDで使うのに全く問題はありません. 実際, 私たちのメイン FTPサイトである ftp.freebsd.org (世界一大きな FTPサイト "ftp.cdrom.com" としても知られています) では Pentium Proで FreeBSDを使っています. 詳しいことが知りたい人は, コンフィグレーション へどうぞ.
Intel Pentium (P54C), Pentium MMX (P55C), AMD K6と Cyrix/IBM 6x86MXプロセッサは全て FreeBSDで動作確認がされています. どの CPUが速いかということはここでは述べません. インターネットを探せばあれが 速いとかこっちの方がいいとか教えてくれるサイトは いっぱいありますので, そちらをご覧ください. :)
Note: 一つ注意しないといけないのは, CPU によって必要な電源電圧や冷却の仕様が 異なるということです. マザーボードが指定された電圧を供給できることを 必ず確認しましょう. 例えば, 最近の MMX チップにはコアと入出力で違う電圧を使うもの (コア 2.9V, 入出力 3.3V など) がたくさんあります. また, AMDと Cyrix/IBMのチップには Intelの製品より熱くなるものがいくつかあります. その場合には強力なヒートシンク/ファンを使いましょう. (各社のホームページにお勧めの部品のリストがあります.)
原作 Rodney Grimes <rgrimes@FreeBSD.ORG>. 1 October 1996.
更新 浅見 賢 <asami@FreeBSD.ORG>. 最終更新 27 December 1997.
Pentium クラスのマシンはシステムの いくつかの部分で異なったクロックスピードを使っています. これは CPU, 外部メモリバス, PCIバスです. 別々のクロックスピードが使われるために``高速な'' CPUを使ったシステムが ``低速な'' システムよりも必ずしも速いとは限りません. それぞれの場合の違いを以下の表に示します.
CPUクロック MHz | 外部クロックとメモリバス MHz | 外部クロックと内部クロックの比 | PCIバスクロック MHz |
---|---|---|---|
60 | 60 | 1.0 | 30 |
66 | 66 | 1.0 | 33 |
75 | 50 | 1.5 | 25 |
90 | 60 | 1.5 | 30 |
100 | 50 | 2 | 25 |
100 | 66 | 1.5 | 33 |
120 | 60 | 2 | 30 |
133 | 66 | 2 | 33 |
150 | 60 | 2.5 | 30 (Intel, AMD) |
150 | 75 | 2 | 37.5 (Cyrix/IBM 6x86MX) |
166 | 66 | 2.5 | 33 |
166 | 66 | 2.5 | 33 |
180 | 60 | 3 | 30 |
200 | 66 | 3 | 33 |
233 | 66 | 3.5 | 33 |
Note: 66 MHz は実際には 66.667 MHzかもしれませんが, そうだと決まっているわけでもありません.
Pentium 100 は 50MHzの外部クロックの 2 倍または 66MHz の 1.5 倍の両方で 動かすことができます.
3 倍クロック以上の CPU ではメモリアクセス速度が 不足気味であるという点には注意していただきたいですが, 上の表を見るかぎりでは 100, 133, 166, 200, 233 MHzを使うのが最良だというのがわかります.
AMDの K6プロセッサで大きなコンパイルをすると, セグメンテーションフォルトで プロセスが落ちることがあるという事例が 1997年に多数報告されました. これは '97年の第3四半期に直ったようです. 情報を総合すると, チップ上の製造年週が ``9733'' (97年の 第33週に製造) 以降のものは大丈夫ということのようです.
FreeBSDは 80286マシンでは動きません. 現在の巨大なフ ルスペックの UNIXをこのようなハードウェアで動かすことはほとんど 不可能でしょう.
FreeBSDをインストールするのに最低限必要なメモリ量は 5 MBです. いったんシステムが起動してカスタムカーネルを 作ることができるならば, もっと少ないメモリ で動かすこともできます. boot4.flp を使えば 4 MB しかメモリがなく てもインストールできます.